地震が起こったときのNG行動5選!自分の命も周りの人の命も守るための知識

 

揺れが始まった0.1秒後にどう動きますか?

 今回は、行動の観点から災害時の話を書いてみたいと思います。
 冒頭の問いについて慌ててスマホを取りに行ったり外に出ようとするのは危険です。まずは火がついていたら止めましょう。すぐ止められない場合は揺れが収まるのを待って消しましょう。ものが落ちたり倒れたりしてこない机の下などの場所に隠れて頭を守りつつ揺れが収まるのを待ちます。最後に余震で閉じ込められないようにドアを開けて出口を確保することが大切です。
 このように、災害時の行動の中には自分を守るためのものと、同じく被災した人を守るためのものの両方が含まれており、正しい行動をすることで家族や大切な人の被害を小さくできます。ところが、パニックになるとあらぬことをしてしまうのが我々、不安症な人間の性。本日はそんな我々の弱点をカバーするべく、先にポイントを絞って「やってはいけないこと」という観点でお話をしたいと思います。

 ちなみに前回は、災害時のために備えておきたい品物の観点からの準備について書いてみました(まだ読んでいない方は是非以下のリンクからご一読ください)!

==過去記事==
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※本記事は一般的な災害対応の参考情報として記載しています。実際の行動は、自治体や行政機関からの公式情報・指示に従って判断してください。

地震が起こったときのNG行動5選

1. 揺れがおさまる前に慌てて外に出る

 冒頭に申し上げた通り、揺れが起こっている室内にも危険はありますが、外に出るのはもっと危険です。外壁や看板、ガラスがあらゆるものが飛んでくる可能性があります。そして、外に出るのであれば、火の始末やこの後お話する内容も含めて考えたうえで家を後にする必要があります。
 また、外に出るに際も、エレベーターで移動するのは閉じ込めリスクがあるので基本は階段移動を心がけましょう。

2. すぐにブレーカーをあげる

 そもそもブレーカーは電気の元栓みたいなものです。電気を使いすぎた時にはブレーカーが落ちますが、あれは回路が過熱して火災が起こることを防ぐための仕組みです(ただの面倒臭い装置ではなくて、私たちを守ってくれる装置なのですね)。そして、ブレーカーの種類にもよりますが揺れを検知して落ちるタイプのものがあります。
 この”せっかく”落ちたブレーカーをすぐにあげることは、通電火災を招くため危険です。通電火災とは、家電が倒れたり、配線が断線したり、水がかかって漏電する状態になっているところで再び電気が復旧することによって火災が起こる現象です。
 逆にブレーカーが落ちていない状態で電気のスイッチを入れてしまうと、通電により火災や感電のリスクが高まります。特に配線が傷んでいたり、漏電している状態では、触れた際に感電する可能性もあるため大変危険です。揺れの後は、ブレーカーを確認した上で、あらゆる電化製品のスイッチをオフにし、プラグは絶縁手袋(電気用のゴム手袋)などで慎重に抜くことを推奨します。無理をせず、安全を最優先にしてください。
 外に出る時はこのブレーカーが落としてから(落ちていることを確認してから)にしましょう。

3. 火を利用する

 上記の漏電の話に似ていますが、ガスが漏れていた場合、着火すると大惨事になってしまいますので、辛いですが喫煙は控えましょう。

4. 安否確認の電話をする

 一斉にみんなが電話をかけると「回線を圧迫する」からという話を聞いたことがあるかもしれません。表現としては間違いでもないのですが、そのインパクトは「通信の品質が落ちる」というより「電話が繋がらなくなる」ことです。例えば、最も優先されるべき消防電話(119)や警察への電話(110)が繋がらない人が出てくる可能性があります。
 相手を心配する気持ちはわかりますが、そのタイミングで電話することだけは控え、少なくとも代わりにインターネット経由での通信で連絡が取れるアプリや(LINEなど)、災害ダイヤル(171)の利用をご検討ください。

 ちょっと詳しい話をすると、、
電話に限っては回線の帯域よりも、電話の交換機のキャパシティを圧迫することに問題があります。つまり、通話をする人が少なければ少ないほど、交換機が余裕を持って仕事をできます。119番や110番は優先電話として特別扱いを受けますが、それでも交換機や回線の物理的なダメージを想定した時、やはり接続が少ないに越したことはないものと考えられます。171番は上記とは別ルートの通信になるので代替手段たり得ます。電話番号に紐づけて伝言を留守電的に残したり、聞くことができます。

5. SNSでデマ情報を拡散してしまう

 悪気がなくても、というよりむしろ親切心で行ってしまうことがあります。悪い人は、ここがチャンスと言わんばかりに人々の不安や親切心に漬け込んできます。災害時はそんなターゲットとして一人ひとりが狙われていることをご認識いただき、情報の正誤はよく吟味することをお勧めします。
 次の余震の予言など根拠のない情報で不安を煽ったり、虚偽の救助要請を行なって救援に支障を出すようなその場の思いつき的な悪事から、虚偽の義援金を募るチェーンメールなど事前に計画していたと思われる悪事まであの手この手で悪事を働こうとします。
 親切心からの行動が、悪い結果を招いてしまうと悲しいです。無闇に情報を拡散することは控え、あなたが悪事の片棒を担がないように注意しましょう。

「自分のため」が「周りのため」になる!

 ここまで読んでいただき、誠にありがとうございます。仮に今日の内容を忘れてしまったとしても、一度目を通しておくとNG行動を取ろうとしてしまったとき、潜在意識的に違和感を覚えるようになるのではないかと思います。
 冒頭にも申し上げた通り、災害時の行動が周りの人の命も守ります。もしかしたら私があなたの隣の住人かもしれません。防災について時間を割いて調べていただいていること、改めて感謝を申し上げます。
 また、隣人なのか何なのかわからない私よりも、家族や同居人と認識をすり合わせておくことをお勧めします。せっかくあなたが下がっていることを確認したブレーカー、誰かがあげちゃうかもしれません。揺れが起こったとき、あなたは机の下に隠れるかもしれませんがお子さんがパニックになってあなたのところに来ちゃうかもしれません。
 このブログ始まって以来、日本の素晴らしさを語ってきましたが、日本人みんな災害のリスクとは常に隣合わせです。是非引き続き、瞬間瞬間で後悔しない行動を取れるよう、学びをともに深めてまいりたい所存です。何卒よろしくお願いいたします。


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